Brown Derby - ブラウンダービー

  • 2019.03.01 Friday
  • 02:14

 

米国でよく知られた伝統的なカクテル。ブラウンダービー。20世紀を象徴するロサンゼルスの著名なレストラン"The Vendôme bar"で、1930年に生まれたと記録され、現在もアメリカを中心に世界のバーシーンで愛されるカクテルとして語り継がれています。

 

分量比はレシピにより様々ですが、バーボンウイスキーをベースに、グレープフルーツとハニーシロップの配合を基本とします。まさにアメリカ的なその3つの材料を、シェイカーを使って混ぜ合わせれば、目が覚めるほど 鮮やかでジューシーな味わい。

 

只今、そんなブラウンダービーを、ご当地を代表する柑橘のひとつである"伊予柑"を使ってアレンジしています。日本の柑橘の香りとアメリカンスタンダードの邂逅を、この季節に是非お楽しみいただければと思います。

 

※補記

以下、余談。Once upon a time in America..

飲酒嗜好やライフスタイルの変化、良質な原酒の枯渇、モルトやラム、そして復権するライウイスキーに押され、昨今どうやら、完全に肩身の狭い状況に追い込まれてしまったバーボン。連邦法の基準をかいくぐった亜種や、かつてない試みで成功する新世代のブランドも生まれ、規模や形態を変えながらバーボンを取り巻く"今"は確実に前へと歩んではいますが…

バーボンに男と酒を教えられ、バーボンで女と愛を知ったこの世代w! あの"古き良きアメリカ"の味わいを、また身近に楽しめる日が訪れることを心から願います。バーボンの味は青春の味だ。そして私は生涯、バーボンをあきらめない。

 

 

“Iyokan Derby Cocktail”
We often make this classic twist by using Japanese Citrus Iyo, instead of fresh grapefruit. Some of you might know this already.. It’s based on The Brown Derby Cocktail.

A chemistry of Bourbon, Grapefruit, and Honey. Really love this great American trad👍

 


Bar Kirkwall - バーカークウォール
広島市中区流川町2-22 インペリアル1st 2F
082-249-2140
www.barkirkwall.com
18:00〜4:00 Last Entry 3:00 - 不定休 -


 

La Vie en rose - ラヴィアンローズ

  • 2018.10.16 Tuesday
  • 02:14

本文執筆中です。後日掲載。

 

“La Vie en rose Cocktail”
A traditional standard’s twist. It’s definitely the one dedicated to an eternal diva.

 


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Orkney Gin &Tonic - オークニージン&トニック

  • 2018.09.10 Monday
  • 02:14

邦文執筆中です。後日掲載。

 


“Kirkjuvagr, Orkney Gin &Tonic”


A hand crafted Gin, created by a young married couple based in Orkney. They make it in small batches using traditional copper stills and Orkney bare barley in the recipe.

 

I heard all ingredients are supplied from inside of Orkney Islands. As for botanicals, In addition to traditional Juniper, they use Ramanas Rose(Hamanasu 浜茄子 in Japanese), Barnet Rose, and Angelica which is supposedly brought to the islands by their ancestors norsemen Viking centuries ago.


We recommend it to be served straight, with a little ice or most classical Gin Sling. When you try to use it in Gin&Tonic. It might need a little bit of strategy to make good use of its subtle character.

 


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Jungle Bird - ジャングルバード

  • 2017.07.14 Friday
  • 02:14

 

ティキ・ドリンクス(Tiki Drinks)というお酒のジャンルがあります。"Tiki"とは、古代ポリネシアの神話に流れをくむ文化で、それを由来として名付けられたこの言葉は、つまり、ポリネシア風のトロピカルカクテルを総称するものだと聞いています。アメリカでは、20世紀のハワイアンムーブメントのなかで多くのTiki Drinksが流行しました。有名なものとしては、マイタイ(Mai-Tai)や、スコーピオン(Scorpion)などが挙げられるでしょう。

 

今から約40年前(1978)、マレーシアはクアラルンプールにあるヒルトンの"The Aviary Bar"で、ひとつのカクテルが誕生したと記録されています。Tikiに相応しいレシピと生い立ちを持ったそのカクテルは、時の流れに埋もれて創作者の名前を失ってしまいましたが、近年のクラシック・カクテルブームや、Tiki文化への回帰を受けて、ヨーロッパやアジアの主要都市はもとより、現在 N.Y.で、ちょっとしたブームになって親しまれているようです。

 

■Jungle Bird - ジャングルバード

 

ダーク・ラム …………………30ml
カンパリ ………………………15ml
パイナップル・ジュース ……30ml
ライム・ジュース ……………10ml
シュガー・シロップ …………2tsps.

 

シェイクして氷を入れたオールドファッションドグラスに注ぐ。

(クラッシュドアイスのレシピもあり。)

パイナップルやチェリーを飾る。

 

※海外のサイトやカクテルブックを参考に、日本のバー向けに分量を調整して記載。

 

ベースのラムについて、当初はシンプルにダーク・ラムと記載されていましたが、時代とともにダーク・ラムからジャマイカン・ラムと、より具体的に。現代ではブラック・ストラップ・ラム(詳細割愛。おそらく日本未入荷)を指定するレシピが増えています。


一般的なスタンダードにありそうでなかった材料の組み合わせ。ダークラムの土臭さにカンパリの苦味、パイナップルのトロピカルテイストが、不思議な調和を感じさせます。残念ながら、日本では全くと言っていいほど知られていないようですが、世界的にはしっかりと不動の地位を確立したスタンダードカクテルです。この夏、ぜひ日本でもご賞味下さい。

 


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Boulevardier - ブールバーディエ

  • 2017.02.01 Wednesday
  • 02:14

 

Harry MacElhone氏のレシピ本にも登場する、100年近い歴史を持つ有名なカクテルでありながら、日本では悲しいほど知られていないブールバーディエ(ブールヴァルディエ)。

 

けだし発音が難し過ぎて定着しなかったゆえだと信じます。パリの大通り(ブールバード)を、肩で風を切って逍遥する"伊達者"を意味するカクテルで、海外では根強いファンを持つスタンダード。そして最も重要なことは、これがとても美味しいカクテルだということです。

 

■Boulevardier - ブールバーディエ


バーボン (ライウイスキー) ……1/3
カンパリ …………………………1/3
スイート・ベルモット …………1/3

 

オールドファッションドグラスにビルドする。

オレンジピールを絞りかける。

 

または、ストレートアップで。

ミキシンググラスでステア、カクテルグラスに注ぐ。

 

※海外の情報を参考に、標準的なレシピを集約して記述。

 

材料を眺めて気がついた方はさすが。"ネグローニ"のバーボンベースです。

 

ベースのジンが、バーボン(ライウイスキー)に代わった、つまりネグローニ・バリエーションといえます。而してこのベースの違い、両者ともに綺麗なハーモニーを奏でるのは勿論ですが、驚くほど仕上がりに印象の変化を生み出します。個人的な表現で例えるならば、ネグローニを "春夏の爽快なほろ苦さ" とすれば、ブールバーディエは "温もりを感じさせる秋冬" といえるでしょうか。

 

ベーススピリッツの違いから"ネグローニ"と比較しましたが、他にも、クラシックなスタンダードのなかでは"オールド・パル"との対比が面白いところです。こちらはベルモットの違いですね。興味がある方は自分で調べてください。

 

 

カクテルを作った経験のない方には、小難しい話を持ち出して恐縮ですが、日本人にとって馴染みの薄いこれらのカクテルも、ビタースやアマ―ロ、ベルモットなどが傍にあって、様々なかたちで嗜まれる国々では、あなたにとってのモヒートやハイボールなどと同様に、思うよりずっと普段着のカクテルなんです。ぜひ気軽に飲んでみてください。

 

…ともあれ、長く寒い冬の夜に、ブールバーディエ!

 

伊達男たちの、胸に秘めた人恋しさを感じさせる、ちょっと粋なカクテルです。日本のバーで少しでもオーダーされることが増えることを期待して筆を置きます。

 

I guess it’s a well known great classic. but mostly foreign customers who order here.. Almost all Japanese can’t call it with proper pronunciation. It’s too difficult for us(me). Sadly so, it has tended to be leaved out of Japanese cocktail books. Thus, the name of boulevardier was forgotten in progress of time..
 


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New York Cocktail - ニューヨーク

  • 2016.11.27 Sunday
  • 02:14

 

その名前の如くNYCに由来するといわれる、クラシックで超スタンダードなカクテル。…なのですが最近、オーダーを頂く機会がめっきりと減ってしまったような気がします。ローカルな話でしょうか?素晴らしいカクテルなのに…

 

■New York Cocktail - ニューヨーク


・アメリカンブレンデッドウイスキー ……3/4
・ライムジュース ……………………………1/4
・グレナデンシロップ ………………………1/2tsp
・砂糖 …………………………………………1tsp

 

シェークして、カクテルグラスに注ぐ。

オレンジピールを絞りかける。


ベースのウイスキーは、ライウイスキーや、上記のアメリカンブレンデッド、もしくはカナディアンを指定するレシピが本流ですが、バーボンも一般的に使われています。近年は、アメリカのウイスキーにおけるライ麦への回帰の流れを受けて、新旧含めさまざまなライウイスキーを工夫して使うバーが増えてきました。私については、基本ライウイスキーの定番"オーバーホルト"か、近年話題の"ブレット"をベースに使っています。

 

レシピはきつそうですが、実は甘酸っぱく、さっぱりしていて飲み易いので、女性にもオススメ。氷を加えたロックスタイルや、クラッシュドアイスでカジュアルに楽しんでいただくのもアリだと思います。そろそろフルーツカクテルを卒業したいお兄さんには、更に真面目にお勧めします(笑)。これも、ウイスキーの楽しみ方を広げてくれるカクテルのひとつです。

 

Autumn in New York!

※落葉は、インスタバエの撮影用なので付属しません。ご安心下さい。

 


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Caruso - カルーソー

  • 2016.05.20 Friday
  • 02:14

 

19世紀末〜20世紀の初めにかけて活躍した、イタリアの伝説的オペラ歌手 "エンリコ・カルーソー"の名前に由来したカクテル。ちなみに"カルーソー"は英語読みで、出身のナポリ風に読めば"カルーゾ"となるそうです。

 

■Caruso - カルーソー

ドライジン …………………1/2
ドライベルモット …………1/4
グリーン・ペパーミント …1/4

ミキシンググラスでステアして、カクテルグラスに注ぐ。

※『2001 The Suntory Cocktail Book』より


ナポリの貧民窟で機械工の息子として生まれ育った。母親は息子の才能を買い、なけなしの金を叩いて歌を習わせたという。

 

1898年にミラノで「フェードラ」が初演されて成功を収め、世間の耳目を集めた。1903年のニューヨーク・メトロポリタン劇場での大成功と、併せて発売されたレコードによって世界的な知名度を確立していく。

並外れた声量と音域の広さ、そして声の美しさ。オペラだけでなく民謡からポピュラーソングまで膨大なレパートリー歌いこなし、20世紀初頭のレコード産業の台頭の波に乗って、またたく間に幅広い階層から愛される人気歌手となった…

 


トスカニーニも、現代オペラの発声唱法は、カルーソーによって確立されたと述べていました。アカデミックな見地において、彼以前と以後ではテノールの価値観が全く異なるそうです。

 

また、オペラのテノール歌手たちが、現在、こぞってナポリ民謡を歌うのは、カルーソーの影響によるものといわれています。



Enrico Caruso (1873-1921)

さて、カクテルの"カルーソー"について。

マティーニに、ミントリキュールを加えたバリエーションとも考えられます。作者と製作年代は不明ですが、テーマも然ることながら、味わいも非常に"クラシカル"なショートカクテルといえます。

 

アルコールの強さをベルモットが柔らかくまとめ、やや甘口ながら、ミントの爽やかさが口をさっぱりと洗って後を引かせない。"青いサンゴ礁"、"アラウンド ザ ワールド"、"アレキサンダーズ シスター"、"パリジャン"などをお好みの方には、徳に、お薦め出来ると思います。

カルーソー自身は、時々喫煙はするものの、オペラ歌手として声帯を気遣い(少々のワインは除いて)多く酒を嗜まなかったといわれます。

 

しかし、まぶたを閉じて歌声に耳を傾け、舞台の上で朗々とアリアを歌い上げるその姿を想像するとき、古色蒼然とし、かつ妖艶な、このカクテルの味と佇まいは、敬意をもって彼に捧げるに、まさに相応しいカクテルのように感じられます。


いまはもう、決して見ることの叶わない伝説の歌い手の姿を、今宵、バーの片隅で、このカクテルに重ねてみるのも悪くないかも知れません。

 


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Algonquin - アルゴンキン

  • 2016.04.14 Thursday
  • 02:14

 

正式名称は"アルゴンキン・カクテル(Algonquin Cocktail)"ですが、単に"アルゴンキン"とも呼ばれます。由来は不詳で、今もカナダの一部に居住する北米ネイティブアメリカンの名称からとも、N.Y.C.のタイムズスクエアにある老舗ホテル、アルゴンキンホテルが発祥ともいわれています。日本のバーではあまり作られないカクテルですが、著名なカクテルブックにも多く記載が見つかるので、それなりに歴史と知名度のあるスタンダードカクテルといえるかと思われます。
 

■Algonquin - アルゴンキン

アメリカンブレンデッドウイスキー …1/2
ドライベルモット ………………………1/4
パイナップルジュース …………………1/4

シェークして、カクテルグラスに注ぐ。

※『2001 The Suntory Cocktail Book』より


上記のレシピように、基本はアメリカンウイスキーをベースにしたショートカクテルですが、バーによってロックスタイルで提供したり、分量の多いロングとしても作られるようです。(比率は同じ、分量が増えるだけという恐ろしいアレンジ…)

じつは正直なところ、レシピ通りに作るとあまり美味しくないカクテルなのですが、材料や比率に多少の吟味をすると、意図の見える面白いカクテルになると思います。パイナップルの甘い香りがふわりと漂うなかに、ウイスキーが見せる新しい表情をお楽しみください。


手元にある北米の地図を開けば、トロントの奥に"アルゴンキン高原"なる地名が見つかりますが、もともと"アルゴンキン"とは、ヨーロッパ勢力の入植以前に、北アメリカに広く居住したアルゴンキン語を母語とする先住民族の総称ということです。かつては北米大陸の広範囲にわたって数十万の人口を数えたこの部族たちも、現在はわずか数千人がカナダの一部に居住するだけになっているといわれます。

冒頭に述べたアルゴンキンホテルが、何故この名前に肖ったのかは分かりませんが、詳しく紐解いてゆけば何かしら直接的な縁があるのかも知れません。ちなみに、このホテルは創業の1902年から、数多くの著名人たちが利用してきた老舗ホテルであると同時に、1930年代から代々その地位を受け継がれている名物の看板ネコ"マチルダ3世"や、現役最長老であり90才を超えた老バーテンダーが活躍している(た?)ことでも有名です(これは数年前の新聞記事で拝見しました)。


↑マチルダ3世
(※最近N.Y.の衛生条例により鎖で繋がれモメたらしい…)

さて、役に立たない蘊蓄をもう一つ。我々にも馴染みあるあのニューヨークの"マンハッタン(Manhattan)"ですが、実はもともとアルゴンキン語だったという事はご存知でしょうか?

こんな話があるそうです。

17世紀の初めのこと、開拓移民としてオランダから渡ってきた商人(植民地指揮官)が、当時ニューアムステルダム(現在のN.Y.)に住んでいた先住民族(アルゴンキン語族レナペ族)の酋長に酒を飲ませ、酔っぱらったところを見計らい、詐欺まがいの条件で土地の売買契約にサインさせてしまった。酔いがさめた酋長は、自分が騙されたことに気がつき、オランダ商人に詰めよって契約の無効を訴えたが、商人は相手にしなかったという。

「マンハッタン!マンハッタン!!」

アルゴンキン語で、マンハッタンは"泥酔"。つまり酋長は、泥酔していたのだから(無効である)と言いたいのだが、商人はそれを土地の名前だと思い込んで、書面の土地の名前にマンハッタンと書き込んだ…(そんなわけはないでしょう^^;)

※あくまで逸話です。またアルゴンキン語でマンハッタンは、"丘の多い島"という別の意味もあるらしいですね。言語学者でも、歴史学者でもありませんのであしからず。
 

- 以下、Wikipediaより引用 -

アルゴンキン語族(Algonquian languages)は、アメリカ・インディアンのアルゴンキン族によって話される語族である。アメリカ合衆国北部およびカナダの、ロッキー山脈から東海岸に至るまでの広い範囲で話されていた。共通の祖語から発展したと考えられており、祖語は(場所はわからないが)少なくとも3千年前に話されていたとされる。

この地域の地名はアルゴンキン語族によるものが多い:例としては、マサチューセッツ、コネチカット、イリノイ、ミシガン、ウィスコンシン、ミルウォーキー、シカゴ、オタワなどがある。
(※写真は1910年のレナペ族)

 


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Batanga - バタンガ

  • 2013.08.06 Tuesday
  • 08:15

いま酒類業界は、テキーラブームに沸いています。


もとよりラテン/ヒスパニック系の多いアメリカ西海岸では、テキーラが日常的に飲まれていました。カクテルにおいても、東海岸の"マティーニ"に対して、西海岸の"マルガリータ"といわれまして、当地で"マルガリータ"は、カクテルそのものを指す代名詞のように使われるそうです。

昨今、西海岸のイカし(れ☆)たセレブたちは、もっぱらお洒落なテキーラがお気に入りの模様。健康志向やオーガニックブームともリンクして、そのままで、カクテルで、時にワインのようにスワリングしながら嗜むようです。

最近ではジョージ・クルーニーやカルロス・サンタナなど、有名人がテキーラ業界に投資してブランドを立ち上げて話題になりました。日本においてもこの数年、かつては考えられなかった数の銘柄が輸入されるようになって来ています。

もちろんこのブームは、世界規模で仕掛けられている大がかりなビジネスといえますが、色々なお酒が楽しめるようになるという恩恵は素晴らしい賜物。美味しいモノが少なからずありますので、興味のある方はまずはトライして頂けたらと思います。飲み方なども含めてお気軽にご相談ください。

この熱帯化した日本で、新しい夏の愉しみになるといいなと思います。



では本題です。
先日、某テキーラのプロモーション紙を見ていたら、こんなカクテルがありました。

日本のバーでは今まで作ってこなかったカクテルです。将来性はまだ未知数ですが、これからカクテルブックなどにも載ることが増えてくるかも知れません。モテたい君は知っておきましょう!
(ただし2013年8月現在、一般的なバーで注文しても99%浮いてしまうだけと思います^^;)
 

■Batanga - バタンガ

テキーラ ………………60ml
ライムジュース ………30ml (1ヶ分)
コーラ …………………up

岩塩でスノースタイルにしたトールタンブラーにビルド。


要するに、俗称でいう"メキシコーラ"というやつなのですが、なんでも約50年前、本場のテキーラ町のバーマンが発案してメキシコ国内で大ヒットしたそうです。先程述べた、セレブたちのテキーラ☆ブームにもあやかって、現在はテキーラベースのカクテルとして海外でかなりの知名度があるようです。(なぜか毒のある書き方になってしまう… 失礼。)


テキーラ&コークとの違いは、塩とライムの酸味が引っ張るバランスでしょうか。
オリジナルの店"La Capilla cantina"では、アボガドや唐辛子を刻んだりしているナイフで混ぜるから美味いんだそうです…。

(ジジイのエキスが入ってますからね。こりゃ負けです。下のyoutubeをご覧ください。)


キューバリブレとラムコークの違いを考えるとき、材料が一緒でも、由来のある別称で呼ばれる処に意味があって、またその雰囲気が味わいを産み出すひとつの要素かもしれませんね。もちろん作り分けられるだけの説得力のある違いがあっての話と思いますが。

ちなみにこのバタンガですが、かつてTVの世界遺産で、竜舌蘭景観とテキーラの特集をやっていた際に登場しているようですが、私は残念ながら未確認です。ご覧になった記憶のある方は、どんな内容だったか教えて頂けると嬉しいです。
 

下記リンク先のページでは、発祥の町の風景とその酒場、
また、実際にカクテルを作っている発案者(ドン・ハビエル氏)の画像が確認できます。
http://www.saveur.com/article/Wine-and-Drink/The-Authentic-Batanga

そして、こちらは海外の現地取材番組。かなり詳しい情報が見られます。
http://www.youtube.com/watch?v=ExRnxT1CAg8


しかし、メキシカンは酒豪です。こんなレシピで飲んでたら一発で逝ってしまいます^^;
わたくしが紳士淑女のためにお作りする一杯は、創作意図を汲み取りつつバランスをとって、ジャパニーズスタイルでご提供しますゆえ、安心してお召し上がり下さいませ。

 


 欠点は
 表面に浮かんで流れるワラのようなもの。
 真珠を求めるなら深く潜れ。

 - ジョン・ドライデン




 

Vin Chaud - ヴァンショー

  • 2012.12.20 Thursday
  • 06:35

ヴァンショー(vin chaud)とは、フランス語で"熱いワイン"の意味。つまり、日本人に馴染みのある言い回しに置き換えるとホットワインですね。最近すこし定着してきた感があり、いろんなジャンルのお店のメニューに"ヴァンショー"の文字を見かけるようになりました。

 

ホットワインは和製英語です。ちなみに、英語ではマルドワイン(mulled wine)、ドイツ語圏ではグリューヴァイン(Glühwein)、スカンジナビア諸国ではグロッグ(Gløgg)といわれます。ホットワインでも一応通じるでしょうけども。
 

 

ヨーロッパの寒い国では、冬場によく温めたワインを飲むそうです。特に収穫祭のマーケットや、クリスマスシーズンには欠かせない飲み物だと聞いています。そう、まさに日本でもいまのシーズンが飲み頃のお酒です。

 

歴史は非常に古く、中世に続く小氷河期(14世紀半ば〜19世紀半ば)のヨーロッパで特に広まったと考えられます。寒冷化した冬の厳しさをしのぐため、ワインを温めて人々は身体と心を癒す手段としました。

 

 

余談ですが、ぼくがこのカクテルに初めて出会ったのは、実は小説の中でした。エミリーブロンテの「嵐が丘」です。読んだことのある方も多いと思いますが、作中に、類似のあるカクテルが登場しています。今となってはそれがどんな飲み物なのかすぐにわかりますが、当時は、周りの大人にしつこく聞いて回ったものでした(…結局誰も分からず、図書館通いが始まる^^;)。他にも、おなじくブロンテ姉妹の小説をはじめ、同時代のほかの作品等々の中に描かれることも多く、いかに人々に愛され、日常的に親しまれていたものであるかが分かります。

 

このカクテルの良いところは、なんといっても決まったレシピがなく、どこでも簡単に作れてしまうところ。ワインを温めるだけです。好みの果実やスパイスを加えれば、自分だけのオリジナル・ヴァンショーができあがり。スペインバルの隆盛で、少し前から流行っているサングリアと一緒です。ワイン(飲みやすい)+フルーツ(かわいい)+甘い(キャー)+(なんか)ヘルシー=女子に受ける。女性はメンズにホットワインを作ってもらうのが夢だと、このあいだNHKの番組でやってました。

 

 

…モテるかどうかは保障いたしかねますが、知っておいて損はないかもしれませんよ。あなたのそれが真心ならば、温もりはきっと伝わるはずです。とてもあったまる素朴な味ですから。

 


 


★赤★
ボルドースタイルのワインに
ジャムや、シナモン、クローブなどのスパイスを加えて。
好みで少しブランデーなどを加えても美味しい。


☆白☆
アルザス地方etc.では白のヴァンショーも有名。
こちらは蜂蜜、レモン、シナモン、クローブなど。
香りの良いホットレモネードのよう。

 


※ご注文が重なると

 お時間をいただきますが、そこはご愛嬌で^^;


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