ラフロイグ20年(ハートブラザーズ)

  • 2019.02.24 Sunday
  • 02:14

LAPHROAIG 20yo(1990)
Hart Brothers “Finest Collection”
54.7% abv.

ひと昔前、ハートブラザーズからリリースされたラフロイグの20年カスクストレングス。熟成したラフロイグに気軽に手が出せなくなってしまった今の時代からすれば、こんな値段で提供できていた事が嘘のようで…。心あるウイスキー飲みのお客さまのご注文により、先日、最後の一本に別れの時が訪れました。


惜しむらくは、熟成年数からすればやや一本気で、奥行や変化に富むブーケが見られなかったところ。丁度、アイラ需要の爆発的増加とリリースが重なっており、本来ならばもっと遅咲きの樽(おそらくセカンドかサードフィルのバーボンホグスヘッド)を、早めに放出せざるを得なかったのでしょう。時間と共にその素晴らしい片鱗を垣間見せるがゆえ、なおさらに樽熟成の伸びしろがまだあったように感じられてしまいます。

 

決して悪くはないのですが、スペックから期待値が高くなる分、どうしても酷な見られ方をしてしまうボトルでした。もちろん充分に良さがあり、こういったスタイルを好む方も多くおられます。また、今の感覚からすれば、バッティングの選択や、フィニッシュに頼るリリースの可能性もあるかも知れません。あらためて振り返れば学ぶことも多く、一期一会の思い出も沢山あります。諸々お世話になりました。ありがとう。

 

※追記
最後の一杯、テイスティングノート。
フレッシュでかなり揮発が強い。ミネラリーな浅い海のヨード、昆布、シダーウッド、燻った温野菜、微かなバニラとオイル。暫くすると麦芽の芳ばしさや甘味がしっかりと湧き出す。口に含むと、ドライで息の長いスモークブレスが駆け抜ける。線はやや細いがアタックはしっかりありフィニッシュも長い。
粗野だが、素直で悪びれたところのない快活な男の子をイメージさせるウイスキー。漁村の朝、爽やかな光の中で仕事を始める男たち。傍らで、眠い目をこすりながら道具や網の準備をする兄弟。兄の手捌きを真似ながら、最近その手伝いを始めた三男坊の末っ子。

 

A farewell shot.. People and whisky come and go. Just go for new exploration. Had such a great time with you, Thanks!

 


Bar Kirkwall - バーカークウォール
広島市中区流川町2-22 インペリアル1st 2F
082-249-2140
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ダルモア24年(ケイデンヘッド スモールバッチ)

  • 2018.12.10 Monday
  • 02:14

DALMORE 24yo(1989)
Cadenhead “Small Batch”
50% abv.

無骨ながら、質実剛健たる北ハイランドの伝統的な雄として名を馳せるダルモア。個人ストックから、先日、秘蔵の中長熟を開封しました。約5年前にケイデンヘッドが日本市場にリリースしたボトルで、国の内外を問わず、非常に高い評価を受けたボトルです。

 

元来、ボトラーズからのリリースが少ない蒸溜所ですが、その上、脂の乗った飲み頃の25年クラスのボトリングでは、かなりの稀有。シェリー樽を中心に据えるオフィシャルのスタイルとは異なり、ダルモアの本質にバーボン樽から迫るチャンスです。

 

売り啖呵ではなく、値ごろで美味しいダルモアです。当店では、おそらく最終ストックになるかと思います。残念ながら限りがありますが、真面目なウイスキーラバーの皆さまには、是非一度、お楽しみ頂けたらと思います。

 

※補記
保管後、開封時のテイスティングノート。
オレンジ、暖かみのあるアロマ。バニラ、メイラード、心地よい樽香。ダルモアとしては軽やかな品があり、スペイサイドはカロン村の蒸溜所を連想させる。口に含むと、色とりどりのドライフルーツ、クローヴ、オレンジオイル。木片と微かなスモーク。ここには確かにハイランドの森の風景が広がる。アタックはドライで、余韻に変化は多くないが、ウイスキーとしてのレベルが全体的に高く、非常にバランスが良い。時間とともに、クリーミーなフルーティーさが更に増幅される。
生真面目で性格の良い中年紳士。悪口も、粋な冗談も言わないが、優しさと篤実さを、一言一言に感じさせる柔和なおじさま。その甘い声に、女性社員のファンもかなり多いが、家庭を一番に大切にする、誠実で真っ直ぐなタイプ。けれど、人間そんなに完璧な訳もなく、実は単なるむっつりスケベなのかも知れない。

 

 

Unsealed a bottle of great bourbon Dalmore the other day. About 4-5years ago, William Cadenheads released for Japanese market through Shinanoya Ltd. This is probably our final stock! Hope you like it.

 

Orange, Warm aroma, Vanilla, Maillard reaction. It smells noble and quite comfortable. The impression, light for Dalmore is reminiscent of a certain distillery in Carron, Speyside. In the mouth, colorful dried fruits, cloves, orange oil, cracked wood, and slight smoke.. There is certainly Highland woods viewing, rather than the Cromarty firth. Dry attack, Smooth palate, Finish is pleasant. There isn’t much of a inflection, but I think it holds components the whisky needs at high level, and completely balanced. More creamy fruit flavors appears as time goes by.

 


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レダイグ10年(イアンマクロード チーフタンズ)

  • 2018.10.08 Monday
  • 02:14

LEDAIG 10yo(2007)
Ian Macleod “Chiftain’s”
Pomerol Wine Finish, 58.0% abv.

スコットランド西域にある、辺境の島”アイル・オブ・マル”にひっそりと佇むトバモリー(レダイグ)蒸留所。200年以上という古い歴史を持ちながらも、ウイスキー不況や、所有者の変遷によって長らく打ち棄てられ、一時はブレンデッド用のバルク・ウイスキーとして買い叩かれる苦難の時が続きました。'93年以降、新たなオーナー(バーン・スチュワート社)の元で、大幅な梃入れが図られ、近年は、その品質面において見違えるほどの生まれ変わりを果たしています。

 

ご存知かとは思いますが、一応、記載しておきますと、同蒸留所にて、同じ釜を使って生産されるノンピートタイプを”トバモリー”。ピーテッドタイプが”レダイグ”と呼ばれます。加えてどうでもいい話ながら、現在(個人的に)好きな蒸溜所8位。野趣に富み、溶々たる風格をスタイルに持つ、愛すべき、素晴らしい蒸溜所です。
 
オフィシャルはもとより、いままでに多数のレダイグ/トバモリーを扱っておりますが、このボトルもなかなかに魅力的です。銘柄の記載はないものの、ボルドー右岸の銘醸地"ポムロール"のワイン樽で後熟した特殊なスペック。やや飛び道具的ではありますが、その仕上がりに魅せられます。グレンゴイン蒸溜所や、近年ではダムデュー蒸溜所を所有するに至った、ウイスキー業界の10大メーカーにも数えられるイアン・マクロード社による、センスが光る秀逸なボトリング。

 

※補記
開封2日後、テイスティングノート。
ジューシーベーコン、スモークハム、ブラックペッパー、ねっとりした黒胡椒の油、ワイン樽熟成に由来する、まろやかな心地よい甘さが、レダイグらしい粗野なテクスチャーを綺麗に包み込むが、決して殺してはいない。背景のなかに淡く、カシスなどのベリー。10年という熟成年数から考えると驚くほどこなれていて、未熟な不快さを全く感じさせない。罠で生け捕りにされた後、なぜか飼い慣らされて、よく躾けられたイノシシを連想させる。

 


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クレイゲラヒ19年(エディションスピリッツ)

  • 2018.09.18 Tuesday
  • 02:14

CRAIGELLCHIE 19yo(1995)
Edition Spirits “The First Edition”
sherry butt, 54.6% abv.

クレイゲラヒのようになりたい。思えば心のどこかで、昔からそう願っていたのかも知れません。マッカランでも、グレンリベットでもなく、他の蒸溜所にはない、スペイサイド・ウイスキーに必要な味の構成要件を複雑に備え、地理的にもスペイサイドの中心に君臨するこの蒸溜所には、私にとって、耐え難く惹きつけられる、正負を超えた不思議な魅力が存在します。

 

ウイスキー業界の名家、レイン一族のホープ、アンドリュー・レイン氏による"エディション・スピリッツ社"。そろそろ設立から10年が経ちますが、蒸溜所のもつスタイルと、適した熟成感にこだわりを持ち、妥協のない樽選びを続ける姿勢に名家の誇りが感じられます。そのブランドである“ファースト・エディション”から届いたクレイゲラヒがこちら。似たスペックのリリースが、数年に渡って度々リリースされていますが、その中で、最高のお気に入りがこれです。

 

※補記

開封、約2週間後のテイスティングノート。
瑞々しい林檎、淡いバニラとフローラルの奥からジャスミンのような華が湧き上がる。基底部を支える確かな麦とスパイス。パレートは、香りから予想する複雑さに加えてペッパーが火花を散らし、特有のワクシーな余韻を伴って消えていく。タンジェリン、アーモンドオイル、ベイクドパイ。良い意味で、シェリー樽の影響は少なく、生来の激しさと繊細さの相反する要素を、大らかな樽感がまとめ上げて好印象。ゲラヒにヘビーなシェリーは似合わない。余韻も長く、蛇が畝るように這い回りながら、渾然一体となって闇の奥へ消えていった。気力体力に満ちた時期の、男の野心か女の邪念か。どこかに暗い背徳を想わせる、やはりペシミスティックなウイスキー。

 

 

A good dram from the real King of Speyside distilleries. There seem to be a couple of similar releases. But personally, I guess this is the best one.

 

The influence from the cask is relatively minor. So, It has their inborn traits(antipodal properties of intensity and delicacy)left. And these textures are vividly appearing in the gentle oaky flavor. There is no need for heavy sherry influence at Craigellache.

 

It feels so naughty, and kind of wicked. There is something immoral sense in it. As l thought, It is an amazing pessimistic whisky.

 


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プルトニー13年(ハートブラザーズ ファイネストコレクション)

  • 2018.09.17 Monday
  • 02:14

PULTENEY 13yo(2001)
Hart Brothers “Finest Collection”
bourbon barrel, 55.5% abv.

北の強者と呼称されるプルトニー。本土の北端にある港町"ウィック"に位置する、実力派の素晴らしい蒸溜所です。(個人的な)どうでもいい話を加えれば、過去十数年に渡って、好きな蒸溜所 No.6を堅持するとても大切な存在。ここ数年は、オフィシャルのコアレンジ/中熟における品質がとても充実していて嬉しい反面、ボトラーズへの供給配分を極端に絞っている状況で、その選択肢の少なさと、価格の異様な高騰に悲しみを禁じ得ません。

 

丁度、その過渡期に突入する直前に“ハートブラザーズ”からリリースされたボトルが、一昨日夜、穏やかに天に召されました。開封から1年半、確かに開いた味わいのなかに、まだ芯のある生き生きとしたハリが残っており、多くの方にもっと飲んでいただきたかったのですが、残念ながら今のところ在庫なしです。また会える日まで。ともあれ、ありがとう。

 

※補記

最後の一杯、テイスティングノート。
メントール、青リンゴ、麦、バニラ、微かなオイリーさとスモーク。派手さはないが、心地よくバランスの取れた香り。口に含むと、香りから想像する通りに、均整のとれたハンサムな立ち姿が顕れる。アルコールは感じるが、歪みなく構成をしっかりと下支えする。バレルの樽感も出しゃばらず、頃合いの熟成に好感が持てる。時間とともに、オレンジや赤い林檎、シナモン、クローヴなどのスパイシーなアロマ。薄いスモークに包まれ、苦味のあるドライな余韻が長く続く。

若々しく、フレッシュな好青年を想わせる。外連味も、無駄な贅肉もない、地方の旧家の出自。モラルと教育と愛情を充分に授けられた健康な男の子。これからの苦労が彼を磨くだろう。飲み干したグラスに、北ハイランドの明るい将来を予見させる伝統的なウイスキーの面影が残った。お父さんは、娘がいたらこんな男になら娘をやってもいい。

 


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グレンロッシー20年(キングスバリー ゴールド)

  • 2018.08.16 Thursday
  • 02:14

GLENLOSSIE 20yo(1997)
Kingsbury “Gold”(Cask Strength)
bourbon hogshead, 55.1% abv.

どうでもいい話で、妹の"マノックモア"と合わせて、現在(個人的に)好きな蒸溜所14位という上位をひた走る、北スペイサイド・スタイルを象徴する佳酒 "グレンロッシー"。繊細で可憐、花の蜜のようなエステリーな芳香と、凛とした麦の甘さ。樽に頼らずとも、しっかりとした美味しさを感じさせる、その淡い透明感は、出会いの度にいつも胸をときめかせる存在です。


"キングスバリー"のカスクストレングス(通称 ゴールド)としてリリースされた、20年という頃合いの熟成を経たこのロッシー。ホグスヘッドにしてやや早熟の成長を見せ、充実した大人の年代へと、まさに扉を開いたところにある状態。冗長を避け、深くは触れませんが、色々な意味で飲み頃のボトリングと言えるのではないでしょうか。


知名度を含めて、やや地味な存在ではありますが、間違いなくこの数年のうちに、シーンの前衛に躍り出る蒸溜所だと思います。汚れたオジさん達に、身も心も蹂躙されることが無いことを心から祈ります。(…俺か?w)

 

※補記

開封1週間後、テイスティングノート。
溶剤系エステルの膜で曇った、メランコリーな甘いニュアンスや、少し棘のあるアルコール感が去ると、暖かい初夏の情景が目の前に広がり始める。まだ可憐さを失わない、品のある豊かな麦の膨らみ。明るいトーン。バニラやたっぷりの蜂蜜。ビスケット、シダー、シナモン、グレープフルーツ。口に含むと、辛さのあるチリスパイスの内に、アロマホップ様の香りや苦みが明瞭に現れる。ホグスヘッドにして樽感も備えるが、特筆すべきは飲み飽きのない全体のバランス。小川のたもと、草叢にのぞいた切り株に腰を下ろし、目前の川面に輝く五月の陽光を見つめる。惜春の別れの日に、友と酌み交わした酒の味を思い出すノスタルジー。ゆっくりとした時間が流れる。

 

 

Single cask bottling from a lovely distillery which symbolized nice character of Northern Speyside. Smells like ester floral honey, ringing barley sweetness in the mouth, and bright sounds.. These are main features of Glenlossie. Plus, As for this bottle, I guess you could find some aromatic flavors like grapefruit peel, derived from beer hops, for instance.

 

With 20years maturation, It had gotten a certain richness for a hogshead, but still delicate, and hasn’t lost their charming figure. It makes me feel like sitting on a stump by the rural brook that is reflecting the sunlight early in May.


Bottled by Japanese IB Kingsbury, I’m sure they are also one of the finest independent bottler who’ve kept giving us lots of memorable items.
 


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グレンロセス20年&ベンリネス20年(ケイデンヘッド スモールバッチ)

  • 2018.06.03 Sunday
  • 02:14

Cadenhead "Small Batch"

 

・GLENROTHES 20yo(1997) sherry butt×3, 56.2%

・BENRINNES 20yo(1997) bourbonn barrel×3, 54.0%

ケイデンヘッドの主力アイテム、スモールバッチの最新リリースから2本を紹介です。ともに、スペイサイドから'97のビンテージ。20年という頃合いの熟成を経たカスクを、それぞれ3樽バッティングさせてあり、バーボンバレルとシェリーバットという対照的なボトリング。この写真では伝わらないと思いますが、どちらも魅力的ないい色をしています。


"グレンロセス"は、蒸溜所の風変わりな特有の個性が、程よくシェリー樽のニュアンスにマスキングされた、いい意味でジューシィな味わい。ストレスを感じることなく濃厚かつシルキーな表情が楽しめます。

 

"ベンリネス"は、生来の硬派で骨太の味わいにバレルの華やぎを纏わせる、ある意味でキャッチーなボトル。近年評判の高まるベンリネスのなかでも、今のところ個人的には、このボトルにベストアワードを贈りたい素晴らしい仕上がりでした。


しかも、嬉しいかな、価格が非常にリーズナブル。いや、それ以上の満足感を約束できる、我々にとっても自信を持ってお客さんにお勧めできるウイスキーです。ありがとう!マーク・ワット。あなたの仕事を可能な限りフォローし続けます!

 


Two of the latest arrivals from Cadenhead’s Small Batch. They are both quite nice:


Rothes 20yo(1997) is moderately sherry-matured. I think we can often find a sort of strange and funny texture in this distillery’s style, but this bottling doesn’t really show their singularity in it. So juicy and catchy in a good way.


Benrinnes 20yo(1997) is three bourbon-barrels vatted. and, I have to say this is the best Benrinnes out of which I’ve tried these past a few years. It’s blessed with innate robustness and flashy barrels favor.


I’m always impressed by their choice and sense of blending. Needless to say, The price is reasonable. Thanks, Mr. Mark Watt(Cadenhead), We'll follow your work as possible as we can!

 


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ダルユーイン21年(KINTRA シングルカスクコレクション)

  • 2018.04.22 Sunday
  • 02:14

DAILUAINE 21yo(1992)
Kintra “Single Cask Collection”
bourbon barrel, 48.9% abv.

どうでもいい話ながら、姉妹蒸留所の”インペリアル”と合わせて(個人的に)好きな蒸溜所 No.5にランクしている”ダルユーイン”。スペイサイドのカロン村にある、ジョニーウォーカーの中核となる蒸溜所です。

 

加えてどうでもいい話ですが、”ダルユーイン”はカタカナ日本語での通名。本来ならば、”ダルウェイン”が正式な発音に近い呼び方になるようです。どうせ読めないならば、日本人もスコットランドに気軽に旅する昨今、紛らわしいので”ダルウェイン”に修正したらいいのにと、ちょっとだけ思います。

 

こちらは、国内での流通量は少ないものの、ここ数年に渡って興味をそそるアイテムを提供してくれる、オランダのボトラー”キントラ”がリリースしたシングルカスク。バーボンのバレルで熟成され、21年の熟成中に樽内で自然に48.9%まで度数が下がっていて、凝縮された、しかしバランスの良い味わいが楽しめました。開封の翌日から早々に開き始め、数日後には本格的な覚醒を見ます。約1年4カ月で天に召されましたが、最後まで衰えない心地よさに酔える素晴らしいボトルでした。ともあれ、ありがとう。

 

※補記

最後の一杯、テイスティングノート。
麦わらに輝く、淡いゴールド。まず開いた豊かな樽香。最後の一杯まで消えない植物性のミンティでグラッシーなニュアンスを追い抜き、豊満な甘い香りの束が溢れている。蜂蜜、もみ殻、たわわに色づいた黄色いフルーツと、ミルクキャラメル、アーモンドオイル、微かなスモーク。様々な表情が現れては隠れを繰り返し、決して飽きさせない。ダルユーインらしい、暖かいがドライなスパイスが舌の上で広がり収斂していく。ボリュームはうるさ過ぎず、程よい落ち着きがあり、余韻は暖かくとても長い。郷愁を覚える風景、収穫の時期、広がる畑に沈む夕日。お祖母ちゃんに貰った干した果物やお菓子の記憶。それが何だったのか思い出せないが、ただひどく懐かしく愛おしい。

 


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ストラスアイラ19年(ケイデンヘッド スモールバッチ)

  • 2018.02.20 Tuesday
  • 02:14

STRATHISLA 19yo(1991)
Cadenhead’s Small Batch
bourbon hogshead, 56.6% abv.

キース地区の筆頭を誇るストラスアイラ。ケイデンヘッドから日本向けにリリースされたこの人気蒸溜所のボトル、残念ながら開封時には、薄く溶剤系の香りが漂う、硬いばかりで、あまり良い印象を持てないボトルでした…。がしかし、数ヶ月の放置プレイwを経て、瓶内で驚くほどの変化を見せ始めます。


一般的なストラスアイラのスタイルとはやや異なり、どちらかといえば、スペイサイド北部沿岸一帯のドライな麦のニュアンスが基軸かと思います。硬いミネラルの奥から、リンゴやバニラ、バター飴やカスタード、フローラルな蓮華の蜜が湧き上がり、パレートには樽由来のスパイシーで暖かい甘さが心地よく広がりますが、あくまで清潔でドライな余韻が、ごく微かなスモーキーさ伴って綺麗に伸びていきます。春へと向かう、まだ耕す前の畑一面に生えたレンゲや、菜の花の揺れる北国の風景を想わせ、長閑ではあれど、その中に厳しさと可憐な印象を残しました。


蒸留酒におけるこうした変化は、熟成というよりは、ボトル開栓後に瓶のなかで液体が空気に触れる過程でゆっくりと開き、本来の姿を現してゆく事例としてよくあることですが、特に、このボトルの開花っぷりには目を見張るものがあって、記憶に残る一本でした。一度飲んだだけではその本質を全く理解し得ないところにも、またウイスキーの面白さがあります。就中、前もってブレンドの工程を経ていないシングルカスクや、小ロットのスモールバッチに於いては、その振れ幅にダイナミックな変化を見せるものが多く飽きさせません。ともあれ、ウイスキーという不思議な液体の奥深さを再確認させてくれる、素晴らしいボトルでした。ありがとう。

 


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スカラブレイ17年(ザ・クーパーズチョイス)

  • 2017.12.06 Wednesday
  • 02:14

SKARA BRAE 17yo(1999)
The Cooper's Choice
51.0%

スカラブレイ?そんな蒸留所は聞いたことねーよ。

 

…そうですよね。いわゆる蒸留所名が非公開のシングルモルトです。そして"スカラブレイ"はその正体を示す道標。グラスゴーのボトラーズ "ザ・クーパーズチョイス(ザ・ヴィンテージ・モルト・ウイスキー社)" がリリースしたボトルで、加水タイプが主流の同シリーズには珍しく、おそらくカスクストレングスで瓶詰されています。

 

スカラブレイとは、凡そ5000年前に遡る、スコットランドの北端の島"オークニー"に残る新石器時代の集落遺構。数千年のあいだ大地に埋もれていた遺跡が、約170年前のある日、冬の大嵐によって、突然その輪郭を露わにしたといいます。古い貝塚の下に築かれた住居群で、地下シェルターの形状を備え、厳しいオークニーの冬を凌ぐための古代人の知恵に満ちみちて崇高です。

 

シークレット・オークニーと銘打っていますが、そもそも島には2つしか蒸留所がない^^; うち一方は、当該期間において生産中止状態(試験的に蒸留はされていたとは聞きます)。ちなみに1999年は、スカラブレイがユネスコの世界文化遺産にも登録された年です。もしや、ヴィンテージ"1999"はそのオマージュでしょうか…。非公表にする”大人の事情”も含め、色々考えさせてくれる、なんだか味のあるボトルです。

 

※補記

開封時のテイスティングノート。

蜂蜜、スモーク、林檎パイのトップ。口に含むと、麦、バニラ、スパイス、ミネラル、それらを下支えする程よい燻香が、バランスよく混ざりあう。アタックは柔らかいが、じわりと燻るように余韻が伸びる。グレープフルーツにスパイス、塩気を帯びたソーヴィニヨンブランの余韻。時間を掛けて、ドライパイナップルの表情が現れる。80年代後期以降から見られる、現代的な、あの蒸留所によく見られるバーボンカスクの好例。トップに未熟なニュアンスが少し漂うが、時間の経過とともに消えていくと思われる。

 


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